小尾 修 ―描くということ―
2015年7月24日(金)―8月8日(土)
―描くということ―
July 24 -August 8, 2015
“Meaning to draw”
洋画家小尾修の、2007年ソウル「KIAF 2007」以来
約8年ぶりとなる個展を開催いたします。
文化庁海外派遣制度によるパリ留学を経た作家の
作品は、大きな変化を遂げました。
油彩作品と合わせ、近年取り組んでいる
オイルスケッチ作品など、最新作5~6点を
展示する予定です。
「5年前、ヨーロッパでの1年間の研修中に
多くの古典絵画を観て改めて感じたのは、
油絵具の物質感の強さでした。
ルーヴルでレンブラントの模写などをしていると、
グレーズ(透明色)にもしっかりとした筆遣いが
感じられ、それらを巧みに活かすことで、
モチーフの量感というか、空間にかたまりと
して在る、実存的な感触にダイレクトに
迫ろうとしているのがよくわかります。
日本人は、水で描く絵具の伝統を持って
いるので、油絵具もまるで水彩のように
さらさらに溶き、ひたすら緻密に描き込む
能力に長けていると思います。
ただ、これでは油彩本来のダイナミズムは
生まれません。日本人だから日本の油絵が
あっても良いけれど、それはまず油絵具と
いう素材自体を本当に使いこなした上での
話だと思うんです。
今は、描き込んで説明し尽くすことはあえて捨て、
いかに骨太な空間をつくれるかを意識しています。
そしてその先に、本当の意味での日本的な油絵を
見出したいと思っています」(小尾修)